営業企画部長

高津 雅彦

Masahiko Takatsu

M&Aで持続的成長と社会課題解決の両立を。営業本部が取り組む新たな挑戦

2021.02.01

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新規事業の立案やM&A(企業や事業の合併・買収)などを担当する、営業本部 営業企画部 部長の高津雅彦。2019年、山善は、M&Aや事業承継支援も含めた事業投資として、200億円の投資枠を設定しました。これまでの仕事や、M&Aと事業承継の関係性、今後の展望など話題は多岐にわたるものでした。

他人事ではない「事業承継」をM&Aで支援したい

営業企画部では、どんなお仕事をされているのでしょうか?

M&A、人財開発、新規事業の立案の3つが大きな柱になります。

M&Aの取り組みや実績について、詳しく教えてください。

2019年、中期経営計画の施策の一つとして、当社は200億円の投資枠を設け、機能強化や拡充を目的とした戦略的なM&Aを積極的に行う方針を新たに打ち出しました。今後、工場の自動化や省エネ化などの成長分野を一層強化していきたいと考えています。そのためには、社外にある機能を積極的に取り込むための「攻めのM&A」が必要です。
これまでもエンジニアリング機能の強化などを目的としたM&Aを展開してきました。エンジニアリング機能とは、シンプルに言えば、アイデアを実現する技術力です。顧客の要望を汲み取って、基本設計からカタチにして実装するまでの一連の仕事のことを指します。私が担当したわけではないですが、2017年には、広島にある「東邦工業株式会社」という、ロボットや生産工程の自動化システムに強い会社の株式を取得してグループ会社にしました。

一方で、M&Aには「守りのM&A」もあると考えています。現在、中小企業では経営者の高齢化が進んでいます。平均引退年齢である70歳を超える経営者は、今後10年間で245万人になると言われていて、このうちの約半数は後継者が決まっていないそうです。事業が承継できない場合、その企業は廃業も考えられます。中小企業庁では、このままいくと2025年までに650万人の雇用と22兆円のGDP(国内総生産)が失われる可能性があると試算しています。

当社のビジネスパートナーである販売店様やメーカー様などでも、事業承継問題に直面している企業がたくさんあると認識しています。廃業を余儀なくされるケースもあり、業界の貴重な財産を守ることも必要だと考えています。決して他人事ではないんです。そこで、後継者の育成、社内体制の整備など、事業承継を支援する体制をつくり、社会課題にも貢献したいと考えています。2019年10月には、当社と提携しているファンドと共同で設立したSPC※を通じて、株式会社石原技研の事業を承継し、グループ会社にしました。この案件は私が担当しました。石原技研の優れた技術と人財は素晴らしいものです。
※SPC:特定目的会社

そしてさらにですね、東邦工業と石原技研、そこに山善の仕入先や販路等のネットワークを繋いで、3社それぞれの強みを活かしながら、山善グループ全体で受注できる体制づくりをしています。すでに、大手企業からの受注も獲得していて、グループ会社同士の連携を強化し、山善グループとしてのエンジニアリング機能の強化を進めています。
またM&A以外にも、他社との提携なども積極的に進めて、当社がお客様に提供する価値を高めていきたいですね。


事業に魂を入れられる人財を見つける

営業企画部としての課題について教えてください。

M&Aの取り組みについて話してきましたが、事業を担う人財も重要なテーマです。新規事業の責任者や、M&A成立後のグループ会社経営を任せられる人財を見つけることが必要です。社内の人事研修に出席をして、僕自身も社内にどんな人財がいるのかを把握することを心掛けています。

新規事業の立案も大きな課題ですが、新しい事業を考えたからといってすべてがうまくいくわけではありません。当然ながら、必ず誰かが実行しなくてはならない。実行する人が、任された仕事に対して魂を入れてやれるかどうか。そこが一番のポイントだと思っています。そのためには、早い段階でいろんな部署に協力を仰いで、当事者意識を持ってもらうことが大切だと痛感しています。

僕たちが考えたことを「じゃあ、後はお願いね」と他の人にやってもらうだけでは、熱意のある仕事になりにくい。その点に気を付けながら、今いろいろなアイデアを練っているところです。

山善はやりたいことを実現できる職場。今後も挑戦し続ける

これまで、山善で働く中で印象に残っている出来事はありますか?

山善に入社して今年で26年目になります。やはり、最初に配属された長崎は思い出の地です。1年に一度は旅行に行って、昔ご飯を食べた馴染みの店に立ち寄ってますね。当時、人手不足もあって、毎日がてんやわんや。思い出したくない失敗もたくさんしました。でも仕事に慣れ、自分で新規開拓したお客様が増えてから、やっと仕事が面白いと思えるようになったんです。

印象深いのは、年2回長崎で開催されていた展示即売会です。当時私は、メーカー様から住宅設備などの商材を仕入れ、二次卸の販売店様に販売するというセールスの仕事をしていました。展示即売会は、販売店様が主催者となって、主催者から招待された工務店様などだけが来場できるという形でした。あるとき、それだけでは売上が伸びないと考え、新聞の折込チラシで告知した一般のお客様も自由に来場できる形式を提案しました。販売店様の顧客である工務店様を、お客様ではなく共催という形で運営に巻き込み、一般のお客様からリフォームなどの注文を取ってもらうことが狙いです。前例がなく反対されたりもしましたが、当時の営業部長や営業所長にも協力いただいて無事開催することができました。おかげ様で、とても好評だったんですよ。

当時、営業所のメンバーは他部署も合わせてたった8人。まるで家族のような関係でした。お客様の中には、「あのとき高津さんが来てくれたから、山善との取引が始まったんだよね」と声をかけてくださる方もいらっしゃいます。今でも毎年足を運ぶくらい、長崎は大切な場所です。ここでの経験がなかったら、今の僕はなかったでしょうね。


苦労もあったと思いますが、どうやって乗り越えたのでしょう?

もともと新しいことを考えるのが好きで、「こうすればもっと良くなる」と工夫しながら取り組んでいました。大変なこともありましたが、辛いと思ったことはないですね。

長崎から異動になり、その後も様々な部署を経験しましたが、新規事業や新しい体制づくりに関わることが多かったと思います。戦略企画室では、住建事業部全体の販売企画や太陽光発電システムのマッチングサイトの開発に関わっていましたし、広域開発室では全国展開する住宅メーカーなど、大手企業の本部との商談を担当しました。それまでは販売店様への卸売営業をしていたので、大きな転換点だったと思います。その後はマーケティング部で、当社オリジナルのゼロエネルギー住宅「ZePlus(ゼプラス)」などの新規事業にも携わりました。

新しい試みに関われたことはもちろん、地方都市での営業から首都圏での大手企業の本部商談まで、様々なお客様と接することができたのは、僕の大きな財産です。

最後に、山善で働いて良かったと思うことについて教えてください。

手前味噌ですが、当社は本当にいい人が多いんですよ。企業にありがちな派閥もなく、「やりたい」と言えばどんどんやらせてくれる。巡り合わせも良かったのだと思いますが、どの部署でも楽しく仕事をさせてもらってます。今後も、いろんな人を巻き込んで、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいですね。山善は、それができる会社だと思います。


※このインタビューは2020年11月に行いました。部署名・役職等は取材当時のものです。

高津 雅彦
PROFILE
高津 雅彦

■1995年4月 新卒入社
 住建事業部 長崎事務所のセールスを経て、戦略企画・広域開発・新規事業開発などを担当
■2018年4月
 経営企画本部 営業企画部長
■2020年4月
 営業本部 営業企画部長

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