2021.03.15

「できない」と絶対に言わない!家庭機器・木下が考える最強の法則。

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量販店への営業を担う営業4部で、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス様の営業主管を務める木下俊徹。これまでに「スマホ用モバイルプロジェクター」や「ムラなく焼けるたこ焼き器」といった数々のヒット商品を送り出してきました。そんな木下にヒットを生む秘訣を聞いたところ、答えは至ってシンプルでした。それはお客様から何を言われても、「できない」と絶対に言わないこと…!そんなこと、本当に可能なのでしょうか!?

木下 俊徹

他社商品の3倍も高いたこ焼き器が、なぜ売れた!?

木下さんのお仕事内容を簡単に教えてください。

量販店様への営業を行う営業4部で、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)様の営業業務において主管を務めています。扱う商材は、主に家電製品になります。

あのおなじみのドンキさんですか!? もしかすると木下さんが手がけた商品を目にしているかもしれません。これまでの代表的な商品は?

例えば2020年末に発売し、おかげさまでとてもよく売れている「スマジェクター(SMAJECTOR)」ですね。こちらはPPIH様のいわゆるオリジナル商品で、Wi-Fiやケーブルでスマートフォンと接続できる、超コンパクトなプロジェクターです。

スマホの映像を映せるとは、めちゃくちゃ便利ですね。他には何かありますか?

これもPPIH様のオリジナル商品になりますが、少し前に発売した2,980円のたこ焼き器です。通常PPIH様では900円前後の価格帯のたこ焼き器が売れ筋なので、この値段で大丈夫かな?とも思いましたが、蓋を開けてみれば大変よく売れました。半年間で既に1万台ほど売れています。

なぜ売れ筋の3倍も高いたこ焼き器が、それほど売れたのでしょう?

たこ焼き器の中には、熱源が全ての“たこ焼き穴”の下を通っていないものもあります。その場合、焼いている途中でたこ焼きの場所を入れ替えないと、全てのたこ焼きがうまく焼けないんです。でもPPIH様の商品は、たこ焼き穴の下にまんべんなく熱源が通っているので、場所を入れ替えずともうまく焼けるんです。


なるほど、それは確かに欲しいかも!

恐らくPPIH様は日本で一番たこ焼き器を売る量販店だと思います。そして、当社もたこ焼き器ではトップクラスのメーカーです。コラボするならヒットさせなきゃ!と思っていたので、ホッとしてます(笑)

早速購入を検討させていただきます(笑)。ちなみに、オリジナル商品は企画から発売までどんな流れで行われるのですか?

まずは、こういう商品をつくりませんかと当社からお客様に打診します。反対に、お客様の方から商品を提案されることもあります。いずれにせよ企画段階で両社のGOが出たらその後、値段や数量を決め、さらには協力工場の選定や商品の仕様などを決めていく。その都度、お客様の審議会や当社の社内確認を通す必要があり、必要に応じて営業である我々が様々な調整や根回しを行います。

こうして商品の提案から、実際に商品が売り場に並ぶまで、短くても半年くらいかかります。

仕事で何より重要なのは「信用」ではなく「信頼」

商品をひとつつくるのに、大変な労力がかかるんですね。そんな中でズバリ、「ヒットを生む方程式」を教えてください!

グッと踏み込んできましたね(笑)
そうですね…私が一番重要だと感じていて、チームメンバーにもよく言っているのが、「できない」とは絶対に言わないことです。オリジナル商品をつくる際には、お客様であるPPIH様から「こうして欲しい」というご要望をいただくのが常で、中には実現が難しい内容もあります。でもそこで「できません」と言ってしまうのは、営業として間違っていると思うんです。お客様も「できない」の一点張りでは納得しないですし、商品開発はスムーズに進みません。

そこで私は、お客様サイドには例えば「こんな風にかたちを変えることで、ご希望の70%くらいはお応えできそうです」とお伝えしつつ、社内に対しては「先方にはこうお伝えしてなんとかご承諾いただいたので、こちらで進めてもらえませんか?」などと伝えるかたちで、よく各所の調整を図っています。

様々な方面に気を配りながら進めていくと?

そうですね。誤解を恐れずに言うと、「みんなにいい顔をする」ということです。それができるか、できないかで結果が大きく変わると思うし、それこそがこの仕事の醍醐味なのかなと。各方面に気を配って丸く収めるにはアイデアが必要になるので、ある意味「企画」の仕事にも近いと感じています。

あらゆる仕事に通じそうなお話で、とても興味深いです。とはいえ、どうしても“いい顔”ができない局面もあるのでは?

確かに社内外を問わず「それはさすがに厳しいな…」という要望が来ることもあります。私も人間なので、「今すぐ電話切っちゃおうかな…」と一瞬思うこともあります(笑) でもやっぱりそこで「できません」と答えるのではなく、ひとまずは「ちょっと考えてみますね」と答える。

そうして少し時間が経つと私も冷静になって、「ここの部分でご希望を叶える代わりに、あの部分ではこちらの希望を聞いていただければ、Win-Winになるな」といったアイデアも出てきます。そんなふうに「できません」を意地でも言わないことをひたすら続けることで、いつからか「この会社だったら、絶対になんとかしてくれそうだな」と思ってもらえるようになると思うんですよね。

「できません」を封じ込めることで、信頼のようなものが生まれると。

まさに信頼が一番重要なのではないでしょうか。信用と信頼という2つの似た言葉がありますが、私はどちらかと言うと信用は「嘘がない、誠実である」といった意味合いで、信頼は「頼りになる、最終的にはなんとかしてくれる」といった意味合いに捉えています。もちろん信用も大切ですが、仕事で何より求めるのは「信頼」の方だと思うんですよね。

私はお客様からよく、「なんか、だまされた気がする」と笑いながら言っていただきます。私はそれを、「なんだかうまいことまとめられたっぽいけど、結局、得をさせてもらったのだからいいか」みたいな意味かなと解釈しています。要は信用はあまりないかもしれないけど(笑)、信頼はいただいているのかなと。

改めて商売を繋げていくには、この信頼がとても大切で、信頼を高めるには「できません」と言わずに、どうにかやりくりし続けることがカギになると実感しています。

なるほど、まさに木下さんの”仕事の流儀”といった感じですね。話は変わりますが、人気スマホゲーム「白猫プロジェクト」とコラボしたハンディファン(ポータブル扇風機)も木下さんが担当されたそうですね。

はい。こちらは2020年の夏に、一部量販店様および当社の通販サイト「くらしのeショップ」で発売し、大変な反響をいただきました。

スマホゲームのコンテンツとコラボするアイデアは、どのような経緯で生まれたんですか?

最初のアイデアは、ひょんなことから生まれました。私が勤務する有明のオフィスの目に前には東京ビッグサイトがあり、そこで毎年夏と冬に大規模なコミックマーケットが開かれます。ある夏の日に、ものすごい数の人たちが猛暑の中、会場の外で行列しているのを見て、ふと思ったんです。「この人たちが持ちたくなるようなハンディファンをつくったら、非常に喜ばれるんじゃないか。それならスマホゲームとコラボしたものが絶対に良いだろう」と。

そこで「白猫プロジェクト」の開発・運営を手がける株式会社コロプラ様に、コラボ商品のご提案をさせていただいたんです。この商品に関しては、コラボのお相手が当社として前例のないスマホゲームであることと、市場がニッチであることから、社内に企画を通すのがとても大変でした。


前例がない場合は、越えなければならない壁が高そうですね…。どのように企画を通したんですか?

たとえ市場がニッチであっても、こうした取り組みをコツコツ積み上げていくことで、山善のファンを増やせることを前面に打ち出しましたね。特に、山善の認知度が低い若年層のお客様にアピールできること。そしてこれは新しい挑戦であり、長い目で見たらユーザー増加に繋がること。そうしたことを会社に丁寧に説明し、理解してもらいました。

「白猫プロジェクト」とのコラボシリーズはその後、モバイルバッテリーを電源として使える「あったかブランケット for USB」と、熱を使わない超音波式の「うるおい加湿器」も2020年12月に発売しました。

目下の目標はライフスタイルブランドの定着

山善ユーザーの幅が広がるのは良いことですよね。木下さんは大きなプロジェクトをいくつも成功させてきたと思いますが、今後の目標はありますか?

いくつかありますが、まずは新規ブランド「BATONUS(バトナス)」を軌道に乗せることですかね。

「BATONUS(バトナス)」とはどんなブランドですか?

山善で働く社員自身が、心から欲しいと思える商品をつくろうと立ち上げたブランドです。「ラグジュアリーに過ごす」というイメージを意識して、商品にこだわりの仕様を備えながら、それでいて決して手が届かない価格設定ではないというバランスを大事にしていて、販売は全てネットを通して行っています。まずは、テーブルやチェア、ラックなどを発売しました。現在、私を含めた5人の社員がプロジェクトを進めていて、私は主に商品開発を担当しています。

将来的には、持っていること自体がちょっとしたステータスとなるようなライフスタイルブランドとして、世に定着させられたらいいなと思っています。


山善のライフスタイルブランドとは、とても楽しみです!ひたすら木下さんの熱い仕事話を聞いてきましたが、オフではどんなことをしていますか?

オフではキャンプやバーベキューなど、外に出て何かすることが多いです。最近はゴルフにもハマっています。それと子どものサッカーチームの応援や、練習のお手伝いもよくしていますね。

もしや仕事一色?とも思ったので、オフも充実されているようで安心しました(笑)

とはいえ仕事もやっぱり大好きで、もはや自分にとって仕事はライフワークでもあります。だからさっき話したような仕事の目標を実現することが、個人としての自己実現にも繋がると考えています。すみませんね、最後まで仕事の話で(笑)

木下 俊徹
PROFILE
木下 俊徹

■2005年4月
 新卒入社 家庭機器事業部 北関東営業部
■2006年
 関東営業部(旧東京営業部、旧北関東営業部合併)
■2017年
 営業4部(広域量販)

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