Yamazen, Inc.

Automation Division  General Manager

Gary Frick

北米市場における産業用ロボットのニーズに応え 躍進を続ける自動化ソリューション

2023.01.16

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世界15の国と地域に4海外支社16海外現地法人を有する山善。米国のYamazen, Inc.はその1社で、北米での工作機械販売事業等の強化のため2020年に新社屋へ移転するなど、海外支社の中でも指折りの先駆的な支社だ。同社のオートメーション部門でゼネラルマネージャーを担うGary Frick(ゲイリー・フリック)に、現在の取り組みや今後の展望について話を聞いた。

製造ラインの自動化に貢献するソリューション

Yamazen, Inc.のオートメーション部門についてご紹介ください。

山善が北米に進出したのは1960年代のことで、Yamazen, Inc.を拠点にものづくりに携わる多くのお客様に商品の提案からアフターサービスまで、幅広く貢献を続けてきました。その中で新しい部門として2018年8月に誕生したのが、オートメーション部門です。


米国では自動車業界や金属・機械業界で産業用ロボットのニーズが大幅に高まっており、Yamazen, Inc.のお客様においても特に金属加工業者や自動車部品加工業者における自動化への動きが顕著です。しかし多くのジョブショップ(町工場)が「自動化したいがノウハウがない」という悩みをもっており、「まずは1~2台だけ自動化してみたい」という意向もお持ちです。こうしたニーズに応えるべく、私たちオートメーション部門はブラザー工業(株)製CNCマシニングセンターに特化した標準自動化セルシステム「FLEX2」シリーズを開発し、北米全域でサポートを行っています。

「FLEX2」シリーズの特徴を教えてください。

「FLEX2」シリーズは、Yamazen, Inc.の強みであるエンジニアリングのノウハウを活かした製品で、ジョブショップの多品種少量生産、大手企業の多品種大量生産のどちらにも適応するシステムであることが大きな特徴です。既に自動車、医療、電気、航空宇宙、農業、自動二輪車など、様々な業種のお客様に導入いただいています。


FLEX2のセットアップの様子

セットアップ中のFLEX2。占有面積が約4㎡とコンパクトな点も好評だ。

生産効率を上げるポイントは、機械が稼働していない非切削時間をいかに減らすかです。手作業で加工物を機械に出し入れする工程をロボットに任せることで、属人的な慣れ・不慣れによる時間のムラを減らすことが可能になります。

初号機「FLEX2」を開発したのは2019年で、2020年にはブラザー社製Rシリーズ専用の「FLEX2-R」を開発し、最近では同SシリーズとMシリーズ専用の小型版の自動化セル「FLEX2-JR」を社内で初めて製作しました。


FLEX2

2019年にリリースした初号機FLEX2


FLEX2-JR

新製品のFLEX2-JR

北米のジョブショップのために

「FLEX2」シリーズのお客様の反応はいかがですか。

お客様からの評価は非常にポジティブで、追加購入してくださったお客様もいらっしゃいます。導入のしやすさに加え、お客様それぞれの加工に合わせて柔軟にカスタマイズできるという点も高く評価いただいています。
特に初めて自動化システムを導入されるお客様には、スチール製のフレームで安全性が高く操作性に優れている点が好評です。また「FLEX2」シリーズとシームレスに連結するNachi Robotic Systems社製の6軸産業用ロボットは、高性能なティーチングペンダント(=ロボットに動きを組み込むために使用するリモコンのような機材)が付属され、プログラミングが簡単にできます。ほかにも「FLEX2」1台で最大2台のマシンを同時に使用できる点や、機械動作の手動・自動を自由に切り替え可能な点、上部に取り付けられたカメラでコンベア上の加工物の正確な位置を検知できる点、最大重量325ポンド(約150キログラム)までの加工物を扱える点も、幅広い業種で支持される理由のひとつでしょう。

さらに、標準仕様に加えてオプションが充実している点も「FLEX2」シリーズの強みです。加工品の向きを変えるための反転装置や、不良品の検知・排出機能、部品のマーキング(刻印)機能など、必要に応じて機能を追加できるのです。

ジョブショップのお客様はそもそも少人数で現場を回しているため、通常、機械の新規導入に伴う人件費は大きなコスト負担になります。一方、FLEX2であれば機械1台分の金額で自動化を実現できるので、コストメリットが大きい。また標準仕様をパッケージ化することで設計工数を減らし、低価格で提供できることも喜ばれています。


「FLEX2」以外には、どのような自動化を行っていますか?

ブラザー工業(株)、(株)TAKISAWA、(株)松浦機械製作所をはじめとした工作機械の自動化も行っています。コンベアシステム、自動棚システム、治具システムなどの実績があり、そのほとんどが1台のロボットで複数台の機械に供給できる仕様です。反転装置、レーザーマーキング、測定などの機能を付加することももちろん可能です。私たちの強みは、お客様のご要望にお応えできるまで真摯に向き合うことです。どんなトラブルが発生しても決してお客様に背中を向けません。今後もお客様の声に耳を傾けて、満足度の高い製品・サービスをお届けしていきます。


“ゲームチェンジャー”として製造現場を変革

今後の展望についてお聞かせください。

チーム力、経験値、売上の3点を伸長させながら、米国で最高のオートメーション・インテグレーター(自動化の提案・設計・製造のすべてを担うプロフェッショナル)を目指していきます。既存のお客様にとっても、未来のお客様にとっても、私たちは製造現場に変革をもたらす“ゲームチェンジャー”でありたいと考えています。
Yamazen, Inc.は素晴らしい会社です。オートメーション部門の成長には欠かせない優秀な社員とともに、自動化ソリューションを提供していきたいですね。


※このインタビューは2022年11月に行いました。部署名・役職等は取材当時のものです。

Gary Frick
PROFILE
Gary Frick

Yamazen, Inc.
Automation Division General Manager

工作機械販売業者のセールスエンジニアからキャリアをスタート。その後オートメーション・インテグレーターでの経営職を経て、2018年8月1日にYamazen, Inc.に入社。優れたリーダーシップでオートメーション部門を牽引し、Yamazen, Inc.の成長に寄与している。

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