生産性の向上とは?製造業で取り組むべき施策と成功のカギ

2024.03.28

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生産性の向上に取り組むと、競争力強化やコスト削減・人手不足の解消など、さまざまな恩恵があります。ひいては、経営状態の改善も見込めます。

今回は、製造業における生産性の向上に焦点を当てて、その必要性やメリット・取り組む際の手順などを解説します。

製造業における生産性の向上とは



生産性とは、資源(ヒト・モノ・カネ)を投入した結果、どれだけの成果が得られたかという指標のことです。製造業では、生産量がこの成果に当たります。「生産性が高い」とは、投下した資源に対して、多くの成果が得られている状態のことです。

生産性を向上すべき理由は、製造業において、労働人口の減少とそれに伴う国際競争力の低下を速やかに解消する必要があるためです。限られた人員で競争力の維持・向上を図るには、生産性の向上が欠かせません。

製造業で生産性の向上を図るメリット

製造業では、生産性の向上によって、主に4つのメリットがあります。

・競争力アップ
・コスト削減
・人手不足への対応
・ワーク・ライフ・バランスの改善


生産性が向上すると、少ない人員でも高い品質の製品を安く生産できるようになります。これによって、他社と差をつけ、自社の競争力を高く保てるようになるでしょう。

また、生産性が向上すれば、時間外労働を減らせるようになり、人件費や光熱費などのコスト削減にもつながります。また、必要となる労働力が減る分、人手不足の改善も可能です。

さらに、時間外労働を減らせることで、従業員のワーク・ライフ・バランスを改善できます。働きやすい環境が整い、さらに生産性が向上するといった好循環を期待できるのです。

製造業で生産性向上に取り組む手順



ここでは、5つのステップに分けて、製造業で生産性向上に取り組む手順を解説します。

1.現状の「見える化」により課題を明確化する
2.無駄を洗い出す
3.具体的な施策を決める
4.ITツール・ロボットを導入する
5.設備を改善する

各ステップの内容を把握しておきましょう。

1.現状の「見える化」により課題を明確化する

生産性向上に向けた取り組みをスムーズに進めるため、最初に現状の「見える化」により問題を抽出し、課題の明確化と共有をしましょう。ポイントは可能な限り定量化することで、製造プロセスのどの部分をどのように効率化させるのか、具体的な数値を設定することが可能となります。

そのためには、現状の把握が欠かせません。「現在の生産性はどの程度あるのか」「人と設備のアワーレート(※)はいくらか」「従業員や顧客の満足度はどの程度なのか」といった点を、見える化・把握することで、目指すべき目標が明らかになります。

※年間費用を年間の稼働時間で割ったもの

2.無駄を洗い出す

生産性向上の目標を定めたら、次に業務工程の無駄を洗い出しましょう。現在の業務工程のどのようなところが生産性を低下させる原因になっているかを特定しておかないと、効果的な取り組みができないためです。

このとき、実際に業務に携わる現場の従業員たちにも話を聞き、ムリ・ムダ・ムラがないか、課題を抽出することが大切です。少数の担当者で現状分析を進めてしまうと、視点が限られ、大事な課題を見逃すリスクがあります。また、現場との乖離が起きないように、下記の内容を細かくチェックしてみてください。

・主作業(価値のあるもの)、付随作業(なくせないが主作業を行う為に必要なもの)、付帯作業(削減もしくは最小化できるもの)、余裕(休憩や会議)、ムダの内訳はどの様になっているか
・まとめられる業務はないか
・少数の従業員に業務が集中していないか
・属人化している作業はないか

3.具体的な施策を決める



生産性低下を招いている無駄や課題が洗い出せたら、具体的な施策を決めていきます。施策の代表例としては、下記があげられます。

・従業員の配置転換やスキルアップ
・業務のアウトソーシング
・デジタル化による業務のスリム化や情報共有の円滑化

生産性向上の目標を達成するには、プロセス改善に目を向けて進めることが大切です。

4.ITツール・ロボットを導入する

具体的な施策の実施と並行して、ITツール・ロボットの導入をするのもひとつの手です。RPA(Robotic Process Automation)などの先端技術を導入することで、作業の効率化やコスト削減の効果が見込めます

最近では、ITツール・ロボットの低コスト化も進んでいるので、自社に合うサービスやツールがないかを検討してみるのも良いです。また、導入する際は以下のような補助金を受けられる可能性もあるため、ぜひチェックしてみてください。

・IT導入補助金
・ものづくり補助金
・業務改善助成金

山善TFS支社では、「テックマンロボット」「ロボットパレタイザー」といったITツール・ロボットによる生産性向上の取り組みを支援しています。

山善TFS支社の生産性向上に役立つITツール・ロボットの特徴



テックマンロボット ・カメラ内蔵型ロボット
・ティーチングプログラムの知識がなくても簡単に操作可能
・生産工程、ピッキング業務、マテハン、検査や測定業務の自動化や省人化が可能 

【テックマンロボット導入による効果】
・人的リソースの節約ができる
・検査や測定の精度を向上させられる
ロボットパレタイザー ・8つのパレタイズパターンを標準搭載した省スペースで安全性の高いロボット
・要望に合わせて多様なカスタマイズができる

【ロボットパレタイザー導入による効果】
・従業員の身体的な負担を軽減できる
・人手不足を解消可能
・積み付けの品質を安定化できるため、積み直し作業を削減できる

5.設備を改善する

生産設備を改善することも、生産性の向上には欠かせません。生産設備の改善によって労働環境が整えば、従業員のモチベーションが向上し、生産性向上につながります

生産設備の改善に取り組むときは、実際に設備を利用する従業員などの意見を広く集めることが大切です。経営陣が一方的に施策を行うのではなく、現場が本当に望んでいる改善を把握して実現させることで、従業員のモチベーションアップが見込めます。

まとめ

生産性とは、投入した資源に対する成果の度合いのことです。製造業においては、生産量が成果に該当します。生産性を高めれば、コスト削減や人手不足への対策ができるばかりか、従業員のワーク・ライフ・バランスの改善にもつながります。

ITツールやロボットを活用することで、よりいっそう効果的な生産性の向上に向けた取り組みが可能です。最近では低コストのツールもあり、導入のハードルが下がっているため、積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

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